
1955年生まれの建築家・古谷誠章が、先行する世代、1930-40年代生まれの建築家12組(伊東豊雄、伊丹潤、柳澤孝彦、長谷川逸子、谷口吉生、山本理顕、象設計集団=富田玲子・樋口裕康、坂本一成、鈴木恂、石山修武、東孝光、安藤忠雄)と語ります。
彼らの自由な発想はどこからきているのか、高度経済成長期のなかで活躍の場を広げた彼らがバブル経済崩壊後の現在に対してどのような眼差しを向けているのか。またいま、次世代にどのようなメッセージを伝えようとしているのか。古谷の丁寧な聞き取りから、13人13様の活動の軌跡とともに、古谷が考えるモダニズム建築の最終到達点が浮かびあがります。
LIXIL(旧INAX)の広報誌『INAX REPORT』の人気連載を書籍化。写真家・相原功による代表作の撮り下ろしと詳細な年譜資料も掲載。
■目次
序論 十二組十三人、日本の戦後モダニズム最後の地平
伊東豊雄──建築はもっと自由なんだ。
八代市立博物館・未来の森ミュージアム|横浜 風の塔|大館樹海ドーム|せんだいメディアテーク
伊丹潤──建築は大地から生まれるものだ。
余白の家II|石彩の教会|墨の庵、改修後/墨の家II|ゲストハウス PODO HOTEL
柳澤孝彦──"現場の哲学"を重視すべきだ。
新国立劇場|真鶴町立中川一政美術館|東京都現代美術館|郡山市立美術館
長谷川逸子──続いてきたものから新しい考えをつくる。
松山・桑原の住宅|湘南台文化センター|新潟市民芸術文化会館
谷口吉生──背景との関連から建築を考える。
土門拳記念館|資生堂アートハウス|丸亀市猪熊弦一郎現代美術館|ニューヨーク近代美術館
山本理顕──プログラムから建築をつくるのではない。
熊本県営保田窪第一団地|GAZEBO|公立はこだて未来大学
象設計集団──われわれにできることは何か。
名護市庁舎|宮代町笠原小学校|宜蘭縣庁舎/宜蘭縣議場|宜蘭縣冬山河修景計画
坂本一成──当たり前のようで当たり前でないものを...
水無瀬の町家|コモンシティ星田|House SA
鈴木恂──住宅にある生命力の本質を"内圧"として育みたい。
JOH(宍戸邸)|URH(浦和の家)|TOCO(都幾川村文化体育センター)(現・ときがわ町体育センター(せせらぎホール))
石山修武──"秋葉原感覚"時からあった開放系技術というキーワード。
リアス・アーク美術館|世田谷村|幻庵
東孝光──住み方は建築家が定義するものではない。
塔の家|清仁保育園|清仁保育園森の舎|阿佐ヶ谷の家
安藤忠雄──建築に沿って環境づくりもしていくべきだ。
光の教会|六甲の集合住宅|住吉の長屋
あとがき