
優秀な技術をもつ在郷の大工集団・気仙大工の遺構のうち、江戸から明治の民家建築に焦点を定めて年代・地域・技法などを解説し、その成り立ちや活動内容、諸職人の構成などを明らかにする。建築に限らず、当時の時代状況や文化交流を探るうえでも貴重な研究。
■目次
はじめに
第1章 岩手県陸前高田地方の民家普請
調査遺構とその建設年代
大工の出身地と社寺建築の経験
農家普請における工事記録
民家普請における構造技法
民家普請における造作技法
第2章 民家普請における出稼ぎと大工系統
気仙大工の出稼ぎ先
出稼ぎ先での気仙大工の民家普請
旧仙台領内における民家普請の大工系統
第3章 諸職人と気仙大工
三つの文献資料
気仙郡と本吉北方における諸職人と大工
おわりに