
大阪郊外、緩やかな傾斜地に112戸の戸建て住宅をばらまくように配置した団地《コモンシティ星田》。坂本一成は、建築が作品として自律する「対象としての建築」ではなく、人々の生活をいきいきと解放させるような形式をもつ「形式としての建築」を志向する。
■目次
Ⅰ 建築に与える形式
対象としての建築
形式としての建築
今日の形式
Ⅱ 傾斜に散らす──空間の共有化
スロープ造成
外部が貫入する中央緑道
噛み合う通路と緑道
等高線に沿う通路、緑道、水路
空間の共有化
住戸の配置
住戸と外部空間・コモンよりパブリック
住戸の内部空間
傾斜地にまかれた住戸
Ⅲ プログラムと構成──関係の場
迷路的で乱雑なまち
部分の多いまち
部分の多いまちは迷路的で乱雑なまちか
成立条件とプログラム
全体構成
滑らかな住戸配置とまちの部分の発生
家に住むことはまちに住むこと
部分に見える全体、部分から連続する全体
見えているまちの向こう側
Ⅳ 空間・構成形式へ
大地にばらまかれた住戸
分節のないまち
非完結性による関係
使用機能とその配列による分節
分節による装飾とイメージ
分節化による身体性の獲得
分節化によるコスモロジー的統合
無分節の傾斜地による統合
空間の構成に関する形式