「建築陶器のはじまり館」について
20世紀建築界の巨匠、フランク・ロイド・ライトの代表作の一つとして知られる「帝国ホテル旧本館(ライト館)」は、常滑で焼かれたタイルとテラコッタで装飾されました。それまでの日本の建築には見られない斬新で自由なデザイン、関東大震災にも耐えたといわれる新しい構造は、震災の災禍からの力強い復興の象徴であり、日本における鉄筋コンクリート造建築と、建築陶器による装飾の時代のさきがけとなりました。
館内では、帝国ホテル旧本館柱型の実物を中心に、明治時代につくられた初期のテラコッタから、関東大震災を経て1930年代の全盛期に至る、日本を代表するテラコッタ建築とその時代背景を、実物のテラコッタやパネルで紹介しています。
また、江戸末から現在までの、代表的な建築物や伊奈製陶・INAXからLIXILまでの社史を、世の中の動きとともに年表掲示。
さらに、明治時代の赤煉瓦からタイルへの変遷をたどる素材の展示や、1936(昭和11)年に伊奈製陶が発行した「テラコッタ」カタログ(複製)、テラコッタ収集・保存のきっかけとなった、写真集「美の彷徨」(故 杉江宗七著)など、貴重な史料もご覧いただけます。
建屋ファサードは、「ものづくり工房」で制作したテラコッタを使用。現代の建築におけるやきもの装飾材の可能性を感じていただけます。

東京/F.L.ライト/1923(大正12)年

- 京都府立図書館
- 京都/武田五一/1909(明治42)年

- 東京大学医科学研究所(旧伝染病研究所)
- 東京/内田祥三/1937(昭和12)年

- 警視庁庁舎
- 東京/大蔵省営繕管財局/1931(昭和6)年

- 聖路加国際病院
- 東京/A.レーモンド、バーガミニ/1933(昭和8)年
-
- 国会議事堂
- 東京/臨時議院建築局/1936(昭和11)年
-
- 名古屋市庁舎
- 名古屋/名古屋市建築課/1933(昭和8)年
-
- 日本工業倶楽部会館
- 東京/横河工務所(松井貫太郎)/1920(大正9)年
-
- 横浜小学校(現:横浜市立港中学校)
- 横浜/横浜市建築課/1928(昭和3)年